ウルトラウッドコラム工法
ULTRA WOOD COLUMN
小規模建築物(一般住宅など)に最適な
地盤改良と木材の複合工法
建築技術性能証明 GBRC 第09-29号
ウルトラウッドコラム工法は、従来の柱状改良工法と木杭工法の短所を解消し、長所を引き出すために開発されました。摩擦力などが期待できる柱状改良工法の利点と既製杭で品質が安定している木杭の利点を併せ持った工法となっています。
そのため、小さな径で改良長を短くしても、大きな支持力を得ることが可能となりました。また、その評価は多くの実験結果から証明されています。
ウルトラウッドコラム工法の特長
従来の柱状改良体より小さな径でも大きな支持力。
ソイルコラムは、ウルトラコラム工法を基準とします。
「ウルトラウッドコラム工法」は、セメント系固化材のスラリーを吐出しながら地盤を掘削撹拌することで、柱状の地盤改良体を築造する機械撹拌式深層混合処理工法です。さらに改良体の中心に木製芯材を埋設して改良体の支持力を増加させた工法です。
- ローコストで十分な支持力を確保
- 確かな品質管理や施行管理
- 狭い敷地でも対応可能
- 撹拌効率が高く、短工期で施行可能
「ウルトラウッドコラム工法」は、改良体が小さな径で大きな支持力を発揮します。そのため従来の工法より必要な改良体の改良径や改良長が縮小され、ローコストでの施工が可能となります。
ミキシングテスター(比抵抗測定器)で撹拌状況を確認し、サンプラーでコラムの強度などをチェックします。また施工管理装置により、コラム1本ごとの深度やスラリーの量などを記録します。
コラム長さが最長4.5mのため建柱車などの小型重機で施工ができ、狭い場所にも進入することが可能です。また、施工現場に合わせて他の施工機械も選択できます。
独自技術により高い撹拌効率を実現。工期の短縮が可能となります。
からまつ(間伐材)の木製芯材を改良体の中心に埋設して柱状改良体の支持力を増加させました。
芯材は、「からまつ」または「すぎ」のいずれかを JAS認定もしくはAQ認証取得工場が製造するJASに 適合する目視等二級以上のものを使用します。
設計基準強度
改良体 | Fc=700kN/㎡ |
---|---|
芯 材 | Fc=13.86N/㎡ =13860kN/㎡ |
長期許容圧縮応力度
改良体 | fc=233kN/㎡ |
---|---|
芯 材 | fc=4620kN/㎡ |
改良体径 D(mm) |
400 | 500 | 600 |
---|---|---|---|
芯材径 d(mm) |
80 | 90 | 100 |
改良長 L(m) |
2.5 | 3.5 | 4.5 |
芯材長 Lw(m) |
L-0.5 | ||
先端平均N’算定範囲 (改良体先端から) |
上2.5D~下1.88D | 上2D~下1.5D | 上1.67D~下1.25D |
ウルトラウッドコラム工法の施工手順
- 準備工
- 位置決め
- 空堀掘進
- 掘進撹拌
- 先端部練り返し
- 引き上げ撹拌
- 品質管理試験
- 木材(芯材)を挿入・完了
敷き鉄板・表層地盤改良などの養生、地中障害物・転石の除去、芯出し・マーキングなどを行います。
コラム施工位置に掘削撹拌機の中心を合わせた後、オーガーの傾斜を調整します。
所定の深度まで空堀掘進します。(空堀が必要な場合)
貫入速度と固化材スラリーの吐出量を所定量に保ちながら掘進撹拌を行います。
所定の施工深度に到達したら、改良体先端の撹拌を入念に行います。
所定の速度で引き抜き撹拌を行います。この際固化材スラリーは注入せず、オーガーは逆回転させます。
所定の固化材配合量・羽根切り回数の確認や、比抵抗の測定、対象土質をサンプラーにて所定の深度からモールドコアの採取を行います。
センター治具などを設置し、コラムの中心に木製芯材を所定の深さまで埋設します。この際、コラム天端を芯材の天端に揃えます。
センター治具により木製材を埋設
木製材を埋設
施工の流れをデータに記録し、
安全をチェックします。
柱状改良体の施工時のデータを記録・管理することで不測の事態が起きないように先見的に対応します。
現場でのデータをプリンタで即座に印刷可能で、メモリカードから事務所のパソコンで内容の確認ができます。
パソコンでは杭番号によるデータ一覧表、掘削深度設定ごとの区間データ、時間ごとの区間データ、グラフとデジタルデータをチェックします。
ウルトラウッドコラム工法概要
仕様および適用範囲について
改良形式 | 杭形式 |
---|---|
掘削ロッド数 | 単軸 |
掘削撹拌機構 | 水平方向掘削撹拌機構 |
共回り防止機構 | 共回り防止翼を十字に装備した本工法独自の防止機構 |
掘削攪拌翼枚数 | 掘削翼を含め6枚 |
施工サイクル※1 | 1サイクル施工 |
施工速度※2 | 1.0m/分以下 |
羽根切り回数 | 450回/m以下 |
適用地盤 | 砂質土、粘性土、ローム |
適用建築物 | 小規模建築物※3、高さ3m以下のコンクリート擁壁 |
改良長 | 2.5m、3.5m、4.5m |
改良体径 | φ400mm、φ500mm、φ600mm | 芯材径 | φ80mm、φ90mm、φ100mm |
芯材長 | 2m、3m、4m |
固化剤配合量 | 300kg/㎥ |
設計基準強度 | 700kN/㎡ |
地盤調査 | ■一般軟弱土用固化材 適用地盤がローム地盤の場合は、一般軟弱土用固化材より 高い固化性能を有するもの |
※1 施工試験などによって要求される設計基準強度が確保できることを確認した場合に限り、2サイクル施工を採用できる。
※2 2サイクル施工の場合の掘削撹拌時以外での速度は、下記の通りとする。
引抜き撹拌、採掘削撹拌および再引抜き撹拌速度≦2.0(m/分)
※3 下記の①〜④の条件をすべて満たす建築物
①地上階:3階以下 ②建物高さ:13m以下 ③軒高:9m以下 ④延べ面積:500㎡以下